はじめに・ご挨拶
はじめまして、名古屋扇子の末廣堂です。プロジェクトをご覧いただきありがとうございます。名古屋扇子の末廣堂と申します。私たちは1912年に創業し、ここ名古屋にて扇子を作り続けてまいりました。
扇子の二大産地の一つは、実は名古屋
扇子の産地と聞いて京都を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?実は、扇子の二大産地の1つは名古屋なのです。名古屋扇子は、宝暦年間(1751年から1764年)、井上勘造親子が京都から名古屋市西区に移住して始められたのが起こりと伝えられています。京都が婦人物、舞扇、飾扇ほか高級物を対象としているのに対し、名古屋扇子は祝儀扇や男物の量産品が主体とされています。
人から人へ 多くの職人の手仕事で作られる扇子の世界
扇子づくりは、骨組みとなる扇骨(せんこつ)に始まり、紙、折、仕上げなど、それぞれの工程で分業しており、それぞれ伝統的な職人技が積み重なって作られます。
岐路に立たされる日本の扇子業界
昔ながらの和服から洋服が主流になり、街中の冷房設備も整っていき、時代の流れとともに小さくなっている扇子の需要。職人の高齢化や廉価な輸入品の普及、そして新型コロナウイルスによって主な販路であった百貨店も集客に苦しんでおり、扇子づくりの現場は厳しい状況に立たされています。名古屋で続く伝統工芸もまた同じ悩みを抱えています。これまで受け継いできたものを、なんとか遺したい。そんな思いから、同じく名古屋で長く続く黒紋付染と協業して新たな商品を開発するに至りました。
はじまりは慶長15年(1610年) 「名古屋黒紋付染」
名古屋黒紋付染は、日本の伝統的工芸品に指定されており、慶長15年(1610年)、尾張藩士であった小坂井家が藩の旗などを製造したことからはじまったと言われています。黒紋付きとは、家紋のついた着物や羽織のこと。主に礼服として着用、5つ紋入りは第一礼装として着用されます。
生地に紋型紙を貼り、それを生地の両面から紋当金網(もんあてかなあみ)で押さえて締付け、下染めをした後、黒の染料液に入れて染め上げます。紋当金網の使用は名古屋黒紋付染特有の技法で、これにより長時間の浸染が可能となり堅牢度の高い黒色となります。
名古屋黒紋付染×名古屋扇子「KOKUSEN」
この度、名古屋黒紋付染の伝統工芸士、武田和也氏(株式会社武田染工)が染めた黒の絹地で扇子を作り上げました。男物の量産品が主体の名古屋扇子らしさを大切に、扇骨はスタイリッシュなアルミ製を採用し、洗練された男性にふさわしい一本が完成されました。
サヤ型の字模様が入った生地を深みのある漆黒色に、武田氏の技術が光ります。
アルミ骨は、金型を使用せず、親骨1本毎にアルミ合金から削り出して制作しました。
装飾の柄加工はレーザー刻印、生地と同じ柄のサヤ型。色付けは染色加工で仕上げました。
金属製なので、仰いで見た時の剛性感もアップ。ひやりとした肌触りで、視覚でも触覚でも、クールさを演出しました。
リターンのご紹介
カラーバリエーションは全3種。すべて黒紋付染の袋と、桐箱にてお送りいたします。また、送料込でのご案内となります。
※北海道・沖縄県・離島等に関わらず金額は一律とさせていただきます。
・クローム×ブラック/34,000円(CAMPFIRE特別価格)
黒一色にこだわり抜いた一本。絹地と金属の黒の違いをお愉しみください。
・シルバー×ブラック/34000円(CAMPFIRE特別価格)
銀色に輝く親骨が美しい一本。扇子を閉じた時もクールな佇まいに。