かってきました。現代的な暮らしを送るにはちょっと手狭ですし大きな改修が必要そうですが、店舗にはちょうどよい大きさです。
空き家の様子(居間)
一方、大浦町からはどんどん若い人が減っており、今いる人たちでなんとか活気を生みださなければ、20年後には私の住む集落は消滅している可能性もあります。
近所の「下村広海商店(通称:馬場店)」も閉店し、「中村商店(通称:木戸店)」も閉店。昨年は町唯一の病院「吉見医院」も廃業しました。大浦町の空洞化はどんどん進んでいます。今住んでいる人がなんとかしないと、なくなってしまうかもしれない町に私たちはいる。それなら、これまで活動してきた出張カフェ・「石蔵ブックカフェ」を発展させ、「古民家ブックカフェ」を大浦町で開業したらどうか、というアイデアが生まれました。
ここ大浦町は、最寄りのコンビニまで車で20分ほどかかります。もちろん町内にはカフェは存在しておらず、家と職場・学校以外の「居場所」はほとんどありません。そういう地域こそ、生活や仕事から離れられる場が必要なことは私たち自身が強く感じてきました。
そして、少し大げさな言い方ですが、「古民家ブックカフェ」を文化の拠点として、文化活動を楽しむ人たちが集まる場に出来たら面白いと思っています。なにしろ、大浦町内では「週刊少年ジャンプ」すら買えるところがありません。人が生活していくためには、生きていくために必要な物資が揃っているだけでは十分ではなく、遊びとしての文化も必要です。
そしてもちろん、私たち「南薩の田舎暮らし」は夫婦ともに大の本好き。本に囲まれた空間が大好きです。ここを単なるカフェではなく、文化的な「ブックカフェ」にすることが、地域の人たちにも喜んでもらえる場になると考えています。
とはいっても、大浦町は鹿児島のどこからも遠くアクセスが悪い場所ですし、改修工事費用に見合った利益を生みだすのはとても難しいです。そこでクラウドファンディングに挑戦することにしました。
「亀ヶ丘」の観光客も呼び込める店に
大浦町は、農業を基幹産業とする小さな町で、北側には干拓地が広がっています。南、東、西の三方は山に囲まれており、特に西側には東シナ海の絶景を望む亀ヶ丘という山があります。
亀ヶ丘からは、雄大な東シナ海の風景や夕日が撮影できることから、ちょっとした観光地・写真スポットになっています。特に夕日が落ちる時刻には、多くの人が夕日の写真を撮りに集まります。
「亀ヶ丘」からの眺め
しかし、今の大浦町にはいわゆる「お金を落とす」場所が物産館くらいしかないので、いくら観光客がきても町の利益になっていません。「古民家ブックカフェ」には、地域の人だけでなくこうした観光客のみなさんにも来て頂けるように工夫したいと思います。そうすることで、持続的な経営ができるようにしていきたいです。
空き家改修の内容
改修しようとしている空き家は、築60年以上は経過している古民家です。古民家の中では特に古い方ではありませんが、ほとんどリフォームされていないので、カマドやタイル張りの流し台、古い建具が残っています。特に窓にはアルミサッシが一切使われていません。この家の第一の魅力は、空色に塗られた木枠の窓だと感じています。
空色の窓がおしゃれ
カマド(左下)とタイルの流し台
立地としては、仲組(なかぐみ)という集落にあり、大浦町の市街地(木連口通り)からはやや離れていますが山の中とかではないです。ただ、この家の裏側(敷地内)がちょっとした森になっているので、まるで森の中にあるかのような雰囲