ワカメで恩送り 復興10年の節目に子ども達へ 気仙沼漁師たちから希望を届けたい

通じ、全国の方からの復興への力強い後押しがありました。

そのおかげで、なんと震災のあったその年には養殖を再開し、翌年には初収穫に辿り着けました。震災後初めて採れたワカメは感謝を込めて地域の方々に無償で配り、喜びを分かち合いました。5年は無理だと思っていたワカメ養殖ですが、皆が力を合わせ、そしてたくさんの方からの温かいご協力のおかげで、結果として最も早く復活を遂げた漁業の一つとなりました。いまでは震災前にも負けないワカメ養殖ができるところまで復興を遂げています。このような背景から“ワカメ“を今回の支援食材の中心にしたいと考えました。

我々の地域(階上:はしかみ)では、選りすぐりのメカブから種を採取し、種からワカメを育てることで、常に最上級のワカメを生産しています。(種から育てるという手法は三陸でも珍しい手法です)

ワカメ養殖は6月にメカブが胞子(種)を出すところからスタートです。種をロープに定着させた後、8月までは水深の深い場所に置き、水温や日光に気を配りながら、冬眠状態を維持させます。9月になると、水深を浅くしていき、日光に当てることで冬眠から目覚めさせます。生育が進むと、雑草ならぬ雑海藻も発生しますので、手作業で丹念に取り除きます。この時期は水温変化も激しく、台風などの天候にも注意が必要で、常に水温、栄養が最適で、安全な場所へ移動させる努力をしています。

9月後半以降は、3センチくらいまで成長したワカメをはさみで切ってロープに挟む、はさみ込み作業を行い、生育を続け、お正月明けからついに収穫が可能になります。収穫は早い漁師で朝4時から4時間ほどかけて行います。真っ暗闇の中でヘッドライトを頼りに、一本一本成長を確認しながら収穫します。収穫は4月末頃までほぼ毎日続きます。

陸に上げたワカメの株は、まずメカブ、元茎、ワカメの葉、枯葉の4つに分け、ワカメの葉はすぐに海水でボイル→冷却をし、適量の塩をまぶし、一昼夜かけて漬け込みます。その後、加工場へ持ち込み葉ワカメと茎ワカメに切り分ける“芯抜き”を行い、葉の部分を16トンもの圧力で脱水し、異物を取り除いたものが、“塩蔵ワカメ”です。旬の採れたてのおいしさを、余計なものを加えず閉じ込めてありますので、水で数分戻せば、ワカメ本来のおいしさを味わっていただけます。

以前、知人の漁師から協力を頼まれたことがきっかけで、一度子ども支援団体へ海産物を提供した経験があります。わたしたちにとって海産物は日常的に食卓に上がるものですが、提供先の子ども達は、なかなか海産物を食べる機会がなかったそうです。

普段食べられない海産物を前に、子ども達がとても喜んでいた様子を聞き、感謝のお言葉もいただきました。そこでより多くの子ども達に同じように食材支援を行い、笑顔になってもらいたいという想いを強くしました。

食材提供した時の子ども達の様子

今回皆さんからいただくご支援は、子ども食堂/支援団体へのワカメを中心とした食材支援及び、復興を通して得た経験や想いを伝えるための費用として、大切に使用させていただきます。具体的には、

・食材支援
・ワカメの養殖方法と調理方法など食育につながる冊子
・復興の歩み、どのような温かいご支援や優しい応援があったのかをまとめた冊子
・実際に私たちが想いを語る動画(Youtubeにて共有を予定)

を準備し、子ども達に笑顔になってもらいながら、私たちの想いを伝えたいと思います。支援食材はワカメを中心に下記のものを予定しております。

目標の30万円のご支援で300人(300食)以上の子ど