◯斎藤 志公(Saito Shiko)
茶道における”侘び寂び”は、意識的な感覚であると考えます。茶道は、物としての「茶碗」、動きとしての「所作」、滞在する「空間」から発生する小さな衝動を感受し、誰もが無意識に美を見出すことができるように意図して設計されています。私はその一連の流れを「線」を用いて表し、”侘び寂び” を音や映像などの別の媒体に変換し、新たな茶道を表現します。
◯坂井 喜恵(Sakai Kie)
私は「性差」のない考え方を広めるために制作しています。主に縄文土器の紋様を利用し、性のあり方について問いかける試みをしています。現代ではLGBTQへの理解や受け入れる姿勢を整える動きがありますが、未だに生きづらさを感じる者は絶えません。しかし、今後LGBTQではおさまらないほどに性は多様化していくことが予想されます。男性らしさ・女性らしさではなく「自分らしさ」で生きていけるように、私がそれを形にしていきます。
◯佐々木 菜摘(Sasaki Natsumi)
生きる中で消えない虚無感に目を向け滑稽さと織り交ぜることで、むなしいけど可笑しい人の葛藤を表現しています。私自身、人間の社会で生かされているのに「人間向いてないんじゃないか」と感じてしまうこともあります。自分の存在をいつまでも肯定できず、社会のなかでどうしようもなく悶えているそのやるせなさを、滑稽さやユーモアによって作品にすることで、存在意義を見出す手がかりとなる作品をテーマに制作しています。私の作品を観ていただいた人が日常のなかで感じる鬱屈した気持ちが晴れればと思います。
◯谷村 メイチンロマーナ(Tanimura Machin Romana)
小さい頃、なんとなく欲しくて「チョコエッグ」をよく買ってもらいました。その頃は開けるのが楽しくて、中のおもちゃにはあんまり興味を持ってませんでした。でも大人になって中野ブロードウェイで見たオマケのフィギュアは全然違って見えました。そうしたものたちの素材や質感は、どこかちょっと歪な形で、ふにゃふにゃなところや、ちょっとダサくもありますが、そこがたまらなかったりもします。中には大きなソフトビニールのフィギュアとかもあって、とてもかっこいい。子供の頃は分からなかったけど、みんな、この良さに気付いてたんだと思いました。そこから影響を受け、大人も子供も楽しめるおもちゃの様なアート作品をコンセプトに制作しています。
◯橋坂 ひかる(Itasaka Hikaru)
小さい頃から着物が常に身近にある環境で育ち、小学生の時には自然と着物の絵を書く程、着物は私に多くの影響を与えてきました。幼い私にとって衣こうに飾られた着物は、まるで絵本の中の様に煌びやかで成人式の為に振袖を着飾る姿はその絵本から出てきた主人公の様に見えていた事を今でも覚えています。自分は作れる環境にはいないと何度も諦めた着物も、様々なことを学び努力によって自らの手で掴む事が出来る可能性を知りました。
そして私は今着物職人を目指しています。着た人を特別にし、自分が主人公だと感じられる様な着物。日本画を学んできた私だからこそ描ける着物を