絶やすな地元の産業!香川の漆器から日本全国の伝統工芸品を守りたい!

絶やすな地元の産業!香川の漆器から日本全国の伝統工芸品を守りたい!
私達は香川の高校生5人グループです。地元の誇りである「香川漆器」を守るため、学校の調理実習に漆器を導入して、その良さを知ってもらいたい。そして、この取り組みをもとにして全国の伝統工芸品の保護につなげていきたい。こんな思いでプロジェクトを立ち上げました!

研究所

1年の時は主にデータ収集を行いました。インターネットを用いて産業の現状を調べたり、香川県漆芸研究所に訪れ、学生の方や先生方が漆器作りをされているところを直に見学させていただいたりしました。また、電話で高松工芸高校の先生に漆器に関する取り組みを伺うなど、県内の漆器関連で思い当たる場所に話をお聞きしました。

▲香川県漆芸研究所に見学に行き、お話を伺いました(2019年8月2日)

▲「蒟醤(きんま)」 の制作風景
協力:香川県漆芸研究所

▲「存清(ぞんせい)」の制作風景
協力:香川県漆芸研究所

▲「彫漆(ちょうしつ)」 の制作風景
協力:香川県漆芸研究所

その頃私達は、「学校給食に漆器を取り入れる」という案を考えていました。越前漆器で有名な福井県では、県内の学校給食に越前漆器を使っているというのを知っていたからです。

しかし、探求していく中で、全校生徒分の漆器をそろえるという資金面での課題があることや、食器洗浄機を使用するため漆器の素材を熱対応のものに変える必要があることを知りました。そして、私たち学生にとって、それを実現させるのは現実的ではないと考えました。

2年生になった私達は、何か打開策はないかとの思いで、今度は川口屋漆器店様に実際にお話を伺うことにしました。この川口屋漆器店様は高松工芸高校にお電話した際に紹介いただきました。以前から学校給食に漆器を使いたいという考えをお持ちであったということを伺い、お力添えを頂きたいと考えました。

その時の川口屋漆器店様との対談で出てきた案が、「学校給食ではなく調理実習ならどうか?」というものでした。

▲漆器を調理実習で使ってもらいたい!(メンバーが描いた絵です!)

そして去年11月に香川大学(大学院)地域事業構想サポートプロジェクト実行委員会の主催する〈香川ビジネス&パブリックコンペ2020〉の「地域公共部門」にエントリーしました。この部門は、香川の魅力を高め、生活を豊かにする公共的意義を持つ地域振興アイデアを、企業や学生が、事業提案をするものです。

学校給食ではなく調理実習に香川漆器を導入する案で進めていこうと考えていた私達ですが、コストが高いという問題はまだ残っていました。そこでこのビジネス&パブリックコンペで自分達の考えを知ってもらえたら、どうにかアクションを起こせるのではないかと思い、出場を決めました。

▲香川ビジネス&パブリックコンペ2020に出場し、
グランプリをいただきました!

その結果、審査員の方々に高く評価していただき、グランプリを頂くことができました。この結果は私達にとって大変嬉しいものでしたが、社会がこれからへの期待を込めて私たちの提案を受け止めてくれたのだと考えています。そのため、学校としての活動を終えた冬以降も、実現に向けてこの活動を自分たちで進めてきました。

下のサイトに参加したコンペの詳細やプレゼンテーションの動画が載っています。私たちの発表は動画の
3:06:20~3:25:50 です。もしよろしければご覧ください。 

【公式】香川ビジネス&パブリックコンペ2020 新しい日常は、新しい発想を待っている。

現在、パブリックコンペで獲得した賞金を使い、既に漆のコップを丸亀高校に導入することが決定しています。

▲丸亀高校に9色×5個(45個)導入決定!

ただ、私達は加えて、「伝統的な日本の食卓」を再現するためにお椀やお箸を揃えたいと考えているためまだまだ資金が不足しています。実は漆のお箸を使わないと、漆のお椀は傷ついてしまうことがある