みなさま、こんにちは。
蒸し暑い日本の夏にピッタリなステテコ。明治時代に着物やハカマの下に穿くものとして生まれ、やがてズボン下や湯上がり着として日常の生活に長い間必要とされてきました。
一時はあまり見かけることがなくなっていたステテコですが、近年、その手軽さやリラックスできるスタイルに魅力を見出され、広く一般に普及しています。
それは、やはり日本の気候風土や生活環境に相性が良いからだと思います。
現在では大手量販店でもラインナップされているステテコですが、昭和の夏の風物詩として記憶にある“風呂上がりにビール片手にステテコで夕涼み、、、。” と、いったイメージの
「粋」を感じるスタイルとはちょっとちがう気がしていました。
あるとき、得意先のお店で買ったステテコが、このモヤモヤを払拭してくれることになるのですが、その時はステテコの柄のシュールさに魅かれて(なんと唐草模様だったのです!(笑))の“衝動買い”でした。
そのステテコを穿いてみて、
あ、なんかカッコイイ 。。。
穿いたときのシルエットが他とはちがう。穿き心地もなんかちがう 。。。
何がちがうの?!
いろいろと探っているうちに見つけたのが、
「縫製のちがい」でした。
職人仕様のステテコの後身。
ヒップ部のマチが特徴的な仕様。
購入したお店の店長さんにも聞いてみたところ、そのステテコを企画しているブランドが生産を依頼した縫製工場は、その昔からずっとステテコをつくり続けていて、むしろ、そのつくり方しかできないのだそう。
縫製を請け負っている方も、ベテランの“おじいちゃん”だそうで、まさに「職人さん」というのに相応しい方だ。と、いうことでした。
そうなのです!!!
その昔からステテコをつくり続けている職人さんがつくるステテコは、生地の裁断、縫製が普通とはちがっていたのです。
現代でよく見かけるステテコは、ショートパンツの丈を長めにしたもの。
職人さんのステテコは、まったく違うカッティングで裁断され縫製されています。
その独特のカッティングが、穿いたときに特異なスタイル感を生み出し「粋」なイメージをつくりだす理由であり、しかも、その穿き心地をストレスフリーなリラックスしたものにもするのです。
そんな、
職人さんの昔ながらのステテコを、
皆さんにも是非体感していただきたい!と思い、
現代の日本の縫製工場に再現してもらいました。
残念ながら、唐草模様のステテコを展開していたブランドはなくなってしまい、それ以来、この仕様のステテコを見かけていなかったので、1枚だけ残っていたステテコを見本サンプルにして、現代の縫製技術でなんとかカタチにしてもらいました。
本来は取り付けられることがなかったヒップポケットとウエストのドローコードは、現代のアレンジとして取り付けさせていただきました。
今回のプロジェクトは、岡山県にある協力工場「田中繊維」と連携して進めております。
裁断、縫製が日本製なのはもちろん、使用する生地も国内でまかなう純国産となります。
補足的な話になりますが、
日本国内の衣料品自給率は、なんとたったの3%だそうです。
“貴重”というレベルにまでなってしまった国内縫製業の生産現場を少しでも盛り上げる、
そのほんのわずかでも力になれれば 、、、と、いう想いも、この今回のプロジェクトに込めています。
ステテコの素材として3種類の生地を用意しました。お好みで選んでいただけます!
■麻混シャンブレー素材 ( インディゴブルー )
デニム生産が地場産業として根付いている