◼︎さいごに
思えば、昨年2月に行なった2019年度展示会の直後から新型コロナウイルスの流行は始まっていました。
4月の緊急事態宣言の発令を受け生活は一変。延期が重なった新学期、授業はすべてオンライン化され、友達に会うことはおろか大学に入ることすらできないという状況が続きました。そしてゼミ生同士のコミュニケーションも難しい中で、今自分たちにできることは何か、私たちは例年「やることが当たり前」のように感じていた研究成果発表の場としての展示会の意義を考え直し始めました。
展示会は、私たち一人一人にとって様々な意味を持っていました。準備や制作過程が成長の機会であること、自分の興味や関心を突き詰め表現する場であること、研究のゴールとしての自身のモチベーションをあげる機会として、また個人の作品づくりだけでない全体空間づくりができる機会として、そして展示を見てくださる方とのコミュニケーションの機会であること。加えて今回は、この一年社会から隔離されているようにも感じた大学生の生活を発信したいという強い思いがありました。
何より私たちは、この時代に負けず「今を今としてかたちに残す必要性」があると感じ、今年度も展示会の開催を決意しました。そして昨年度1フロアだった会場を2フロアに拡大し、感染対策に配慮した展示を行おうと、今年2月11日~14日の展示会へ向けて準備を進めてきました。
そんな中先月発令された、2回目の緊急事態宣言。開催できるかもしれない未来に賭けて、そのまま準備を進める案や延期する案もありましたが、私たちの展示における「今を今としてかたちに残す必要性」という考えに立ち返り、私たちは今確実に展示会を行うための、新たな手法を模索し始めました。
当然考えられるのは「展示会のオンライン化」です。授業や友人との交流、就活をはじめこの1年間たくさんの場がオンライン化されてきました。便利さがある一方で、オンラインでは代替しきれないものがあるということも強く感じていました。
どうにかして、非対面でありながら私たちの作る展示空間を共有する方法はないだろうか。この2つの考えから生まれたのが、お届け先に展示空間を作るという発想、つまりは「展示のデリバリー」でした。
展示は必要至急ではないかもしれません。しかしこの取り組みにより、時が止まってしまったようにも感じる2020年を私たち自身「意味のあった過去」にできると考えています。実展示ができないから生まれたアイデアではありますが、今まで展示会に来ることができなかった遠方の方にも見てもらえる、場所や時間にとらわれず展示空間をお届け先で好きに楽しんでもらえるという、新しい展示の可能性にわくわくもしています。
箱の中には、今だからこそ表現できるこの1年間の集大成を詰めています。長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。どうか私たちのこの思いを届けるために、ご支援のほどご協力お願いいたします。
<All-in方式の場合>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。